なんか久しぶりに小説を読み終えてとてもいい気分になって、嬉しい感じになってしまいましたです。
過去にKindleストアでセールしてるのを見かけて、映画(DVD)がけっこーいい感じだったのを覚えてて購入。
いちおーストーリーだいたい知ってるしなー、って中々読み始められなかったのですが、読んでみたら実に良い。
あー、小説読むのってすげーいいなーって気分を久しぶりに味わった感じです。
博士の愛した数式
ストーリーは、事故が原因で「記憶が80分しか持たない」元数学博士の元にやってきた家政婦が、博士の世話をしていく日常を描いた平和なお話し。
「数式」ってタイトルにもあるように、ストーリーの多くで「数字」に関する面白い話が出てきて、まずその辺りの「豆知識」的な小話が面白い。
220と284というのは「友愛数」と呼ばれる数字。220の自分自身を除いた約数が1,2,4,5,10,11,20,22,44,55,110で、これを全部足すと284。284の自分自身を除いた約数が1,2,4,71,142で、これを全部足すと220。
こういう数字は探せば結構あるかもしれないんだけど、実はとても見つけるのが大変で、非常に貴重な数の組み合わせ。
こんなような「数字の神秘」みたいなものを、うまく物語と組み合わせながら進んでいく話なんだけど、なんというかこの「数字の神秘」みたいな世界観で描かれた文章がこれまた神秘的な「小説の世界」として描かれている。
たぶんこの「美しい世界」が成り立ってるのは、未来からの視点での思い出話として語られている、って形式の影響が大きいと思うんだけど、久しぶりに「文字の世界」ってのを美しいと思えて、その世界観に浸れるお話でした。
映画(DVDだけど)を見て、これ面白かったなーって記憶はあったんだけど、あらすじをわかっていてもこんだけ「いいなー」って思えた話は、ひょっとしたら生まれて初めての体験かもしれない。
ものすごい久しぶりに、小説読むの楽しいなーって心の底から思えたよい作品でした。