「ロングテール」や「フリー」で有名になったクリス・アンダーソンの最新作「メイカーズ」
クリスアンダーソンの本は、これからの新しい時代の流れをわかりやすく教えてくれるものですが、偶然と言うべきかなんなのか、「新しく始まった」kindleストアで購入し、最初に読み終えた活字本になりました。
今回は「もの作り」の話
今までのクリスアンダーソンの本は基本的に「インターネットが変える世界」についての話だった。
しかし、今作のメイカーズは「ネット」の話ではなく「もの作り」の話。
これだけ言われると、なんで今になってこの人は「もの作り」に注目してるんだ?なんて疑問だらけになるわけですが、そこはやはりというかなんというか、さすがクリスアンダーソンとでも言うべきか。
読み終えると、あー、これからはもの作りの時代だわー、って感じで凄く納得してしまった。
ネットの革命を実世界に
クリス・アンダーソンがよく使っている言葉に「ビット(デジタル世界)」と「アトム(現実世界)」というものがある。
21世紀になってビットの世界は革命的に進化した。そして今、ビットの革命はアトムにも押し寄せている、みたいな流れで話が始まっていく。
ロングテールはビットからアトムへ
今までの「もの作り」というのは、工場を建てて、巨大な機械を導入して、カタチが決まったモノを大量生産する、というのが基本的な「やり方」だった。
しかし、ソフトウェアとロボットが進化することで、このようなやり方をしなくとも「小さな規模」で「様々な形のモノ」を「少し作る」ということが「誰でも」出来るようになる。
「ビットの世界」だけで通用していた「ロングテール」というものが、これからは「アトムの世界」にも広がっていくだろう。
こういう「アトムの世界の変化」を、多くの実例を交えて語られているのがこの「メイカーズ」という本。
ネットのことは多少知っているつもりではあったけど、これを読んでるといかに自分が何も知らなかったのか、ってのを思い知らされる。
3Dプリンタ
この「変化」に大きな貢献を果たしているモノの1つとして出てきたのが「3Dプリンタ」
そういえば、今年8月のiCUGに参加した時に、特別ゲスト大谷さんが3Dプリンタを紹介してくれて、実演を見せてもらってた、ってことを思い出しました。
当時、3Dプリンタなどというモノの存在を全く知らず、見せてもらっても「へぇぇ、面白いねぇ」くらいの感想しか持っていなかったことをなんだか恥ずかしく思います。
ちなみに、その際に大谷さんがオススメされていた、複数枚の写真を撮ることで、それを3D映像にしてくれるiPhoneアプリ「123D Catch」
これもまた「メイカーズ」の中で紹介されていました。
これまた教えてもらった当時、面白いねぇ、くらいの感想しか持っていなかったのですが、メイカーズを読んでいくと「これ使ったらこんなこと出来るようになるんだ!」ってのがわかり、自分の先見の明の無さを恥じたのでありました。