いやぁ、面白かった。
最近はAppleにばっかり興味があって、Googleへの興味がちょっと薄れていたりもしたんだけど、この本を読んで改めて「Googleおもしれー」って熱が再燃。
すんごくページ数が多い本なんだけど、これを読むのが楽しくて電車に乗るのが楽しみの1つになったくらい。
GoogleはどのようにしてGoogleになったのか
グーグル ネット覇者の真実は、著者スティーブン・レヴィが長期間の内部取材などを元にGoogleがどのように始まり、どのように今まで歩んできたのかまとめた本。
ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンという2人の大学生が大学のコンピュータを使って「検索エンジン」というサービスを始めた。
これがものすごーく精度が良くて評判になって、その勢いでどんどんユーザーが増え、会社も大きくなっていったのだが、その「精度の良い検索エンジン」の元になったのが「ページランク」という概念で、これがウェブの世界に革命をもたらし、Googleを超巨大起業にする元になった。
ちなみに「ページランク」という言葉は「ウェブページのランク」ではなく「ラリー・ペイジが付けたランク」
これは、ちょっとしたGoogle好きにはよく知られていること。
自分が知っているGoogle知識って言えばこんな程度なんだけど、これを知っていようが知っていまいが本書は文句なしに面白い。
Googleがお金を稼げるようになるまで
特に印象強く、面白く読めたのが前半から中盤までの「Google開始から企業が軌道に乗るまで」くらいの部分。
当時はGoogleという小さな会社?が、なんでこれを無料でやっているんだろう、と不思議に思いながらも、なんかYahooよりGoogleの方がカッコイイ気がする、程度の理由でGoogleという検索サービスを使っていた。
当たり前なんだけど、こういった「サービス」を提供する場合、必ずなんらかの維持費はかかってくるわけで、提供者は完全に「無料」でサービスを続ける事はできない。
「アドワーズ」という広告販売を始めてからは、そこからとてつもない利益を叩き出しているが、そこに至るまでには当然多くの「歴史」が存在するわけで、この辺りの「スタートアップ企業から大企業に至るまで」という流れだけでも十分に1冊の本としてまとめられるような濃密なストーリーが描かれている。
なぜ「関係なさそうな」サービスを始めるのか
Googleはなんでひたすら無料でサービスを続けられたのか。
その部分は序盤の面白すぎるストーリーでだいたい描かれているのだが、もう1つよくわからないことがある。
アドワーズでものすごーくお金を稼げるようになった後で、なぜ「全然関係なさそうなサービス」を始めまくるのか、ということだ。
GmailやGoogle Mapくらいならまだわかるとしても、なんでグーグルツールバーなんて「アドオン」を作ったのか。なんでGoogle Chromeなんてブラウザを作るのか。
もちろん「新しいビジネスの可能性を探っている」と言えばそれまでなのだが、ちゃんと「それなりの理由」みたいなのがあって、これがすごーく面白い。
その理由は「みんながもっとネットを便利に使いまくるようになれば、もっと検索する機会が増える。そして、みんながもっと検索するようになれば、アドワーズはもっと使ってもらえる = Googleはもっと儲かる」というもの。
「中立」な視点でのストーリーだからこその面白さ
また、本書の後半はGoogleの中国進出から撤退までの話や、SNSの波に乗れずFacebookの勢いに「負けている」ような話など、ここ最近の「失速」についてもきちんと触れられており、ただ単純に「Googleマンセー」みたいな本では終わっていない。
Googleという企業が非常に「特殊」で、なにをやっているかわからない、なにを考えているかわからない、みたいなイメージを持っている人は多いのではないかと思うんだけど、この1冊を読むだけでかなーりGoogleのことが「わかる」のではないかと思う。
本を読んで「知る」ことってすごーく楽しいなー、ってのを改めて実感出来た1冊でした。
そして、こういう分厚い本こそKindleが向いてるなー、ってしみじみ思いました。リアル本はめちゃくちゃ分厚い!