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似たようなものがこれまでどこにもなかったからEvernoteの使い方がわからない

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献本ありがとうございます!

最近は、もうだいたいオレなりのEvernoteの使い方みたいなのは固まってきてて、あんま「Evernoteの使い方」みたいな本は興味ないかなー、なんて思っていたのですが、この本は「アタリ」でした。

最後まで読んでみて、おお、これはいいなー、って思った使い方がたくさんあって、まだまだEvernoteは色々面白くて便利なものだ、って改めて思い知らされました。

「似たようなものがこれまでなかった」から「使い方がわからない」

Evernoteの「使い方がわからない」のは「似たようなものがこれまでどこにもなかった」から。

これまでになかったものを使い始めるときには「適切な」使い方は誰もがわからない、というのが当然だという。

電話が発明されてまもなかったころ、電話口で多くの人が「オーケストラを聴いた」ことがあったそうです。(中略)一斉に受話器を耳に当ててオーケストラを聴いたなど、想像するのも難しいほど奇妙な光景です。しかし、この世にはじめて電話機が登場したころは、その「適切な」使い方など、だれにもわからないものなのです。


はじめに

そして、これを読んだ時に、以前Phil(EvernoteのCEO)が語っていた話を思い出した。

本当に良い道具を手にすると、それに出会う前と後とでものの見方や考え方が大きく変わってしまう。たとえばGoogle。Googleというサーチエンジンが登場して、情報のあり方、そもそも情報の価値というものが大きく変わった。そして、Evernoteもそうなれるようことを目指していきたい。

そして「はじめに」ではこうも書かれている。

Evernoteはだれが使っても便利で、まちがいなく仕事に役立ち、生活を豊かにしてくれるツールです。

では、どんな風に使えば「役立ち、背活を豊かにしてくれる」のか。

Evernoteを便利にするための考え方

共感できる部分、新しい発見など色々とあったが、Evernoteを「便利」にするための基本的な考え方はこのようなもの。

  • 必要な情報を、内容別に整理しようと「しない」
  • 「いつ使うかがわかっている情報」を重視する
  • ノートブックはノートの「状態」を意味するもので分ける
  • 一応とっておく情報は整理しない
  • 「何度使ってきたか」が価値の目安

「Webクリップ」や「ネタ」をやたら大事に思って、これら「一度も使ったことのない情報」を整理する、というのは一番良くありがちだが、この考え方は逆にする。

一度も使われていないということは「使い物にならない」もの。

「既に役立てた資料」が有益なものなので、「何度使ったか」を基準にして整理をする。

こういった「役に立つかもしれない」ものは「カタログ」

大事なのはこういう「カタログ」と、いつ使うかがわっている「資料」を混ぜないこと。

カタログを見返すのは楽しく、こういう「いつか使うかもしれないもの」を入れておくのにEvernoteは非常に向いているが、これらのほとんどは「捨てても差し障りない」ものなので「整理」をしようとしない。

実際に「使うつもりだったし、使った方がよかった」カタログはあるかもしれないが、Evernoteを使っていてもそういうものをゼロにはできない。そこは諦めるのが現実的。

「すべてを記憶する」から「Remember Everything」へ

Evernoteの「日本語」のキャッチフレーズは「すべてを記憶する」

しかし、これだけでは「足りない」

英語のキャッチフレーズである「Remember Everything」の「Remember」には「覚える」と「思い出す」という2つの意味がある。

つまり、Evernoteに「覚えさせる」だけではEvernoteの能力は半分しか発揮されない。

なんでもため込めるEvernoteに様々な事を記憶させ、必要なときに使えるようにしておく。

これがEvernoteの最も基本的な、そして究極の目的。

まとめ

こんな感じで、書かれてたことを一部ピックアップしてまとめてみましたが、今まで読んできたEvernote本の中で一番面白かったです。

Evernoteという道具も、登場からだいぶ日数が経過し、話題性だけでなく、ようやく普遍的な価値や活用法というのが見え始めてきた、というような段階ではないかと思います。

で、この本はこれまでに発見された「普遍的な活用法」がまとめられてる、って感じでした。

まーぶっちゃけたところ「本」にするためには一通りのこと(様々なサービスやツールの紹介)は書かないといかんかったんだろうなぁ、って部分もわりとあったのは事実ですが、それを差し引いても「今一番役に立つEvernote本」だと思います。


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